私が二世帯住宅を選んだ理由

注文住宅で二世帯住宅を建てて、親世帯と一緒に暮らし始めて6年になります
親世帯とは私kozuhuhuの両親です
私は小さいころから母方の祖父母と一緒に暮らしていたので二世帯住宅歴はかなり長いです
婿養子ではなく表札が二つのサザエさんでいう「マスオさん」タイプの二世帯住宅です
両親と祖父母との関係を小さいころから見てきたので「私も将来は両親と二世帯住宅に住む」となんとなくずっと思っていました
結婚後は実家に近い賃貸住宅で暮らしていましたが上の子が小学校に入学するまでには二世帯住宅を建てる予定で両親、夫と計画を進めていきました
夫はマスオさんになることを快く承諾してくれていました
この記事では、私の実体験をもとに二世帯住宅建設時のこだわりや住んでからわかった気を遣う場面などメリット・デメリットを含めてお伝えします

二世帯住宅とは?タイプと特徴を簡単に解説
完全分離・部分共有・完全同居の違いとは?
二世帯住宅には大きく分けて3つのスタイルがあります
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、「どのスタイルにするか」は二世帯住宅づくりで最初に悩むポイントでもあります
ここでは、代表的な3つのスタイル「完全分離型」「部分共有型」「完全同居型」の違いを簡潔に解説します

完全分離型:生活空間を完全に分けたスタイル
特徴:
玄関・キッチン・バス・トイレ・リビングなど、すべての生活空間を分けた二世帯住宅です
外から見れば一つの家ですが、実質は隣り合わせの2つの家のような造りになります
メリット:
- プライバシーが確保され、互いに干渉しすぎない
- 生活リズムが違っても気にならない
- 将来的に賃貸として片方を貸すことも可能
デメリット:
- 建築費が高くなりやすい
- 設備が2世帯分必要(光熱費・メンテナンス費もそれぞれ)
- 「せっかく一緒に住むのにあまり顔を合わせない」可能性も
部分共有型:一部の設備を共用するバランス型
特徴:
玄関や浴室、キッチンなどの一部設備は共用し、それ以外の生活空間(リビングや寝室)は分けるスタイルです。我が家もこのタイプです。
メリット:
- コストとプライバシーのバランスが取れる
- 設備数が減る分、建築費を抑えられる
- 生活が近く、助け合いやコミュニケーションが取りやすい
デメリット:
- 音や生活リズムの違いが気になる場面もある
- 家事の分担、掃除のルールなどでトラブルになりやすい
- 来客時の動線などがやや複雑になることも(メリットになることも…)
完全同居型:すべてを共用する昔ながらのスタイル
特徴:
玄関・キッチン・お風呂・リビングなど、すべての空間を家族みんなで使うスタイル
かつての日本の大家族では一般的でした
サザエさん一家はこのタイプです
メリット:
- 建築費・維持費が最も安く済む
- 家事や育児の協力体制がとりやすい
- 家族の絆を深めやすい
デメリット:
- プライバシーがほとんどない
- 親世帯との価値観の違いが大きなストレスになる場合も
- 同居ストレスから夫婦関係に影響が出ることも
どのスタイルが正解?家族構成と価値観がカギ!

どのタイプが向いているかは、家族の関係性や将来の生活設計によって変わってきます。
- プライバシー重視の方には「完全分離型」
- コストを抑えつつ協力し合いたい方には「部分共有型」
- 昔ながらの密な家族関係を望む方には「完全同居型」
実際にどのスタイルにするかは、家族全員でよく話し合って決めることが大切です
特に同居後のトラブルを避けるためには、「どこまで一緒に、どこから別々に」を明確にするのが成功の秘訣です
我が家のスタイルは部分共有型
我が家は「部分共有型」で、玄関のみ共用にしました
その他のキッチン、お風呂、トイレ等はすべて別々です
注文住宅で建てた二世帯住宅のこだわりポイント
二世帯住宅は、ただ「広い家」を建てればうまくいくわけではありません
特に注文住宅では、「どこまで共有するか」「どうやってお互いが快適に過ごせるか」という設計の工夫が、住み心地を大きく左右します
我が家もハウスメーカーと何度も打ち合わせを重ね、「これはやってよかった」と思える工夫がいくつもあります
間取り設計で重視した3つのこと
1. 音への配慮
生活リズムが違うため、音の問題は最優先で対策しました
床材は遮音性能の高いものを採用しました
さすがに子どもたちが走り回ったりジャンプをすれば下にも響きますが、かわいい孫たちが元気に遊んでいる音なので両親も大目に見てくれています
2. 動線の独立性
共用の玄関からすぐに親世帯・子世帯それぞれの空間に入れるような間取りにしたことで、「行き来はできるけど干渉しすぎない」関係性が作れました
3. 広めのシューズクローゼット
玄関は共有のため家族全員分の靴や傘など収納する場所を広めに作りました
子どものストライダーや一輪車などを置くのに作っておいて本当によかったと感じています
レインコートや靴を干せるようにホスクリーンも設置しました
実際に採用してよかった設備・仕様
・玄関は1つでも「完全分離風」に
我が家は玄関1つの設計ですが玄関に階段を設置、上下で各世帯の独立居住スペースを配置
広めの玄関にしたことで人数が多くても混雑せずに過ごせています
・音対策のための建具と間仕切り
建具(ドア)はすべて防音性のあるタイプを採用
2階のほとんどのドアを引き戸にして音が響かないようになっています
・ガス乾燥機「乾太くん」を設置
洗濯はそれぞれのスペースでしていますが、両世帯とも最初から「乾太くん」を設置することを決めていたのでベランダやバルコニーは小さめの設計にしました
干す手間がないので「本当に設置してよかった」と親世帯も大満足です
乾太くんがあるといっても乾燥機に入れられないものもあるのでホスクリーンも多めに設置しました

住んで感じた二世帯住宅のメリット

二世帯住宅に実際に住んでみると「あのとき決断してよかった」と思う場面がいくつもありました
暮らす前は不安だった点も多かったのですが、予想以上に助けられている部分もあり、単世帯では得られないメリットを実感しています
子育てや家事のサポートを得られる安心感
共働きの我が家にとって、親世帯のサポートは本当に大きな存在です
急な子どもの発熱や、保育園からの「お迎え要請」にも、両親がいてくれることで即対応できました
夕方、子どもが先に帰宅しても「おじいちゃん・おばあちゃんがいる」というだけで、親としての安心感は段違い
買い物や少しでかける時に「ちょっと見ててくれる?」が気軽に言えるのがとても助かります
家事効率がアップ
食事の面でもとても助かっています
食事は別々にしているとはいえ、おかずを分けてもらったり、足りない調味料を貸してもらったりと助けられている部分がたくさんあります
一品もらえるだけで帰宅後の家事効率がかなりアップします
玄関や家のまわりの掃除などは両親が率先してやってくれています
「頼るところは遠慮なく頼る」「協力できるところはする」「無理なときは無理と言える」関係性が築けたのも、住んでみて得られたメリットだと思います
災害・体調不良などの“もしも”への安心感
私が風邪をひいて寝込んだとき、親が子どもを見てくれたり、食事を用意してくれたりするので夫に仕事を休んでもらわなくてもなんとかなります
子どもの体調が悪いときも軽めで様子見程度の状態なら両親にお願いして仕事に行けます
逆に、親世帯が体調を崩したときも、病院への付き添いや買い物を手伝うなど、助け合える関係が自然に築けています
また、地震などの災害時にも「一緒にいる」「すぐ助けられる」という状況は、精神的な安心感にもつながっています
お互いの生活をほどよく感じながらも、自由がある
完全同居ではないため、お互いのプライベートはある程度確保されています
「毎日顔を合わせなくても、何かあれば声をかけられる」この絶妙な距離感が居心地の良さにつながっていると思います
メリットを活かすカギは「思いやり」と「適度な距離感」
二世帯住宅での暮らしは、最初の設計やルールづくりだけでなく、日々のちょっとしたお互いへの思いやりや適度な距離感がメリットを生む鍵だと思います
私が感じる二世帯住宅のストレス・トラブル

実際に住んでみて「やっぱり良かった」と思う反面、「やっぱりやめれば良かった…」という後悔、ストレスや小さなトラブルも確かにありました
とくに家づくりの段階では気づかなかったけれど、暮らし始めてから見えてきた問題も少なくありません
生活音・テレビの音・話し声が意外と響く
防音対策はしたつもりでしたが、やはり完全に無音にはできません
親世帯が寝ている時間に子どもが走ったりジャンプしたりすると、子どもに注意しなくてはいけないので思い切り遊ばせてあげられない葛藤があります
夫婦喧嘩や言い合いの時、両親に聞こえないように小さめの声で争っています(笑)
何を話しているかはっきりは聞こえないですが言い争いをしていることはわかるので気を付けるようにしています
音に関して両親に聞くと「そんなに気にならないよ」と言ってくれているのですが、なるべく迷惑にならないように日々気をつけています
来客対応で気を遣う
友人を呼ぶときは少し気を遣います
子連れでの来客が多いため、いつも以上に騒がしくなってしまうときは事前に両親に伝えるようにしています
いつも快く了承してくれるので感謝しています
住んでわかった!後悔ポイントと対策アドバイス
二世帯住宅は、建てる前にいろいろ調べて「大丈夫そう」と思っていても、実際に住んでみると「これは失敗だったかも…」と感じる場面もあります
ここでは、私自身が住んでから気づいた後悔ポイントと、それに対する今ならこうする!というアドバイスを正直にお伝えします
後悔①:思ったより“音”は響く!
❌後悔ポイント
防音対策をしたつもりだったのに、ドアの開閉音や階段の足音、話し声、テレビの低音などが思った以上に響きました
✅対策アドバイス
- 間取りで上下・左右に生活空間をズラす(寝室の上下に子供部屋を配置しないなど)
- 防音ドアや遮音シートを“室内にも”使う(玄関ドアだけでなく内部の扉も)
- 引き戸よりも気密性の高い開き戸のほうが防音には◎
後悔②:ちょっとした“干渉”がストレスに
❌後悔ポイント
「どこ行くの?」と、毎回聞かれるのが地味にストレスです
親に悪気がないのは分かっていても、干渉されてるように感じる瞬間がありました
とくに父は毎回聞いてくるので子どもたちも面倒くさそうにしています(笑)
✅対策アドバイス
- 顔を合わせる回数を減らせる動線設計が◎(玄関からすぐ各世帯へ)
まとめ:二世帯住宅は”思いやり”と“ちょうどいい距離感”が大事
二世帯住宅での暮らしは、最初の設計やルールづくりだけでなく、日々のちょっとしたお互いへの思いやりや適度な距離感が大事だと思います
思ったことや改善してほしいことは小さなストレスのうちに正直に伝えてお互いが嫌な思いをせず、いい方向にいけるように話し合うことが重要です
我慢をしていてもいいことはありません
話し合うことでさらにいい関係になっていくはずです
これから家づくりを始める方のヒントになればうれしいです
最後までお読みいただきありがとうございました!